不眠症は楽じゃない!

元・不眠症、現・睡眠健康指導士の睡眠コラム

不眠を治療する②〜失敗しない減薬のための5つのポイント〜

不眠症で睡眠導入剤を飲んでいる人も多くおられるかと思います。

その中にはできるだけ早く睡眠導入剤を止めたいという方も多いのではないでしょうか?

 

私自身も8ヶ月ほど前までは2種類3錠の睡眠導入剤を飲んでいました。

5年以上睡眠導入剤を服用しており、少しずつ量や種類が増えていくという状態でした。

 

そんな僕も今では大事な日以外は飲まないというレベルまで減らすことができました。

今まで何度か減薬を試みたのですが、うまくいったのは今回が初めてでした。

なぜ今回はうまくいったのかということを自分なりに考え、ポイントとしてまとめてみました。 

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①少しずつ、ゆっくり減薬する

減薬は少しずつ、ゆっくりやっていくのが非常に重要です。

早くやめたいからといって、いきなり服用を止めてしまうと反跳性不眠といって、

服用する以前よりむしろ不眠が悪化するという現象がおきます。

 

減薬の方法としては、漸減法と隔日法があります。

漸減法は服用の間隔は変えずに、服用する量を少しずつ減らしていく方法です。

 

具体的には、2週間〜3週間かけて4分の1錠ずつ服用量を減らしていきます。

量を減らしても睡眠に問題ない期間が1週間〜2週間続けば、さらに4分の1錠減らします。これを繰り返していくことでゆっくり減薬していくという方法です。

 

もうひとつは隔日法です。

隔日法は服用する量を減らすと共に服用する間隔を変えます。

具体的には、今まで毎日服用していたものを4分の1減らし、回数も2日に1回にするなどです。

 

漸減法と隔日法のどちらのほうが良いか気になるところですが、

いま服用している睡眠導入剤のタイプによって変わってきます。

 

漸減法は超短時間型、短時間型、中間型、長時間型のすべての睡眠導入剤に効果がありますが、隔日法は中期型、長期型の睡眠導入剤にしか使えません。

 

服用している睡眠導入剤がどのタイプかわからない場合は、漸減法がオススメです。

②自分に余裕のある時に減薬に取り組む

漸減法や隔日法を正しく行っていても、減薬することでしばらくの間、減薬前より寝れなくなることはあります。

 

その時に自分がすごく忙しい状態だったり、大変な時期だと寝れないことによる日中への影響が強くなり、減薬を断念してしまいがちです。

また「明日は大事な日なのに、眠れなかったらどうしよう・・・」などの不安が不眠を増長させるということになりかねません。

 

減薬をする時は長期休みや肉体的・精神的に自分に余裕のあるときに取り組むのが重要になってきます。

③長期的な目線で取り組む

減薬はすぐ結果が出るものではありません。

長期間服用している場合、どんなにうまくいっても1錠減らすのに、2〜3ヶ月は最低かかると思ってください。焦る気持ちはわかりますが、腰を据えて長期的な目線で取り組むことで減薬の成功率を上げることができます。

④睡眠習慣を改善させる

これは減薬の方法というよりは、減薬に入る前提条件と言えるかもしれません。

 

不眠には原因となる睡眠習慣があります。

例えば、カフェインを取り過ぎやストレスが多い、寝る直前までパソコンを使う、休日に寝溜めするなどです。

 

不眠の発生の源となった睡眠習慣を改善しておかなければ、睡眠導入剤という補助がなくなれば、眠れなくなるのは当然です。

 

また特に原因が見当たらないという人は、睡眠に対する極度な不安感や長年の不眠による「ベッド=寝れない」という条件付けがされているかもしれません。そういった方は、睡眠認知行動療法を実践することで改善するかもしれません。僕もこの睡眠認知行動療法が減薬の大きな助けになりました。

 

減薬に入る前に、睡眠習慣を改善させておくことは減薬を成功させるための、

必須条件といえるのではないでしょうか。

⑤うまくいかなくても、自分を責めない

減薬はつらいものです。うまくいかず、断念したくなる時も多々あると思います。

「このまま一生自分は睡眠導入剤を飲み続けるんだろうか・・・」

と僕も半年前まで思ってました。

 

減薬のペースは人それぞれです。

2〜3ヶ月で1錠減らせる人もいれば、1年かかって半錠しか減らせない人もいます。

もしかすると、いまうまくいかないのは、今は減薬するタイミングではないのかもしれません。

 

自分を責めずに、自分ができる範囲で少しずつ減薬していこうという心持ちが、

減薬を成功させるために重要ではないかと思います。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。