不眠症は楽じゃない!

元・不眠症、現・睡眠健康指導士の睡眠コラム

「寝れなくても横になっていれば疲れはとれる」は今すぐやめよう!

昔よく「寝れなくても横になっていれば疲れはとれる!」

と言われなかったでしょうか?

 

僕も小学生の頃学校の先生に言われた記憶があります。

 

でもこれ実は不眠には逆効果なのです。

 

おそらく言っている人たちは「あまり寝れないことに神経質になっちゃだめだよ!」という意味で言ってるとは思うのですが、言葉のまま受け取って「寝れなくてもとりあえずふとんに入ってれば疲れはとれるんだ!」と思っていると、不眠の原因となってしまうことがあります。

 

これは不眠症の治療における認知行動療法でまず初めに指導されることです。僕も睡眠専門クリニックの一番最初のカウセリングで言われて衝撃を受けた記憶があります。

 

では、なぜ「寝れなくても横になっている」ことが不眠につながるのでしょうか。

 

今まで、睡眠認知行動療法についての記事などでも紹介させて頂きましたが、不眠症は不眠と寝床が結びつくことによって生じていると言われています。不眠の人は寝れない夜を何度も経験する内に、「寝床=寝れない」という条件付けが無意識の上で形成されてしまい、寝床に入るだけで緊張したり、不安になったりして寝れなくなってしまいます。このような条件付けがあるので、ストレスやプレッシャーなどの特定の理由がなくても不眠が継続的に引き起こされます。

 

不眠症の認知行動療法では、まずこの「寝床=寝れない」という条件付けを解くことからはじめます。しかし、「寝れなくても横になっていれば疲れはとれる」は「寝床=寝れない」という条件付けを強化してしまうことになるのです。

 

このことから「寝れなくても横になっていれば疲れはとれる」は不眠に効くどころか、不眠を悪化させる原因となるのです。

 

「寝れなくても横になっていれば疲れはとれる」

 

ついつい言ってしまいがちなこの一言。

 

中にはかかりつけの内科医から言われたという人も多いそうです。

医者から言われたから本当だろう・・・って思ってしまいますよね。

それがまさか逆効果だとは、本当びっくりですよね!

 

不眠を解決する第一歩は正しい知識を身に付けることかもしれません。

 

これからは、

 

「寝れなくても横になっていれば疲れはとれる」

 

の代わりに、

 

「寝れなかったら寝床から出よう。眠たくなったら寝床に戻ろう!」

 

を実践してもらえればと思います。

 

 

不眠症における、認知行動療法についてさらに知りたい方はこちらからご覧頂けます。 

 

 

また自分で実践してみたい!という方には、こちらの本がおすすめです!

 

認知行動療法で改善する不眠症

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最後まで読んでいただきありがとうございました!