睡眠専門医に聞いてみた②〜寝る前にホットミルクを飲むと安眠できるって本当?〜
睡眠専門医に聞いてみたシリーズ第二弾です。
第一弾はスマホと不眠症の関係について書かせて頂きました。
さて、二回目となる今回のテーマは、
「寝る前にホットミルクを飲むと安眠できる」
この言葉、一度は聞いたことあるのではないでしょうか。
ホットミルクが睡眠に効くという記事はたくさんあります。
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実は僕も毎日信じて寝る前にホットミルクを飲んでいます。
しかし、特にこれと言って効果を感じられない・・・
本当にホットミルク飲むと寝られるようになるのだろうか!?
と疑問に思ったので、睡眠専門クリニックの診察で思い切って聞いてみました!
気になる専門家の答えは・・・
「ホットミルク自体に安眠の効果はありません」
おー・・・予測はしていましたが、10年近く実践したのでちょっとショック。
ではそもそもなぜホットミルクが安眠に良いと言われるようになったのでしょうか?
ホットミルクが安眠効果があるという根拠として一番良く使われるのが「トリプトファン」が摂取できるからというもの。
トリプトファンとはセロトニンの基になるアミノ酸です。
セロトニンは「幸せホルモン」などと呼ばれる心身の安定にはとても重要なもので、睡眠促進ホルモンであるメラトニンの基となります。
まとめると、
「トリプトファン→セロトニン→メラトニン(睡眠促進ホルモン)」
という一連の流れで変化していきます。
つまり、この流れの大本になるトリプトファンを摂取できるのでホットミルクは安眠効果があるということなんですね。
なんだか、本当っぽいですね・・・
しかし、ここで注目したいのがホットミルクに含まれるトリプトファンの量と不眠の改善に必要なトリプトファンの量。
まずホットミルクに含まれるトリプトファンは40mg(100ml)。
そして不眠の改善に必要なトリプトファンの量は500mg~600mg。
(参考:トリプトファンが多く含まれる食品まとめ | サプリで睡眠の質を改善しましょう!)
んー・・・牛乳パックまるまる飲んでも足りない。
またトリプトファン以外にもカルシウムやビタミンB12がイライラを抑える効果があるので安眠につながるんだ、と主張する記事もよく見ます。
確かにカルシウムやビタミンB12がイライラを抑えるのはわかるんですが、そんな飲んで数時間で効果って現れるものなんでしょうか?これはトリプトファンでも同じことが言えます。
おそらくホットミルク飲んで落ち着くのはカルシウムやビタミンB12が効果があるのではなくて、ホットミルクを飲むという行為自体に人を落ち着かせる効果があるのではないでしょうか。
寝る前にリラックスすることは安眠にとても重要です。
そういう意味ではホットミルクを飲むことが安眠につながるということは、あながち間違いとも言えません。
実際に睡眠専門クリニックの先生は、
「ホットミルクの成分に効果はありませんが、睡眠儀式としては良いかもしれません」
という風におっしゃっていました。
つまり寝る前のリラックスする方法としてや、これから寝るんだという気持ちに切り替えるためにホットミルクを使うのは一つの手だということです。
結論としては、
「ホットミルク飲むとリラックスできてよく寝れるんだー!」
と既に実感できている人はこれからも引き続き飲もう!
「そんなに飲みたくないけど、安眠に効くっていうし、仕方ないから飲むか」
くらいの人は無理して飲む必要はないよ!
といったところでしょうか。
そんな僕は例え効果がなかろうと、今日もホットミルクを飲んで寝る予定です!
最後まで読んでいただきありがとうございました!