睡眠認知行動療法って何?という話②
前回の記事「睡眠認知行動療法って何?という話①」に引き続き、今回は睡眠認知行動療法の具体的なやり方についてご紹介したいと思います。
睡眠認知行動療法は主に「刺激制限療法」、「睡眠制限療法(睡眠スケジュール法)」、「筋弛緩法」の3つの療法を組み合わせたものです。順番に一つ一つ説明していきたいと思います。
①刺激制御療法
刺激制御療法は睡眠以外に寝床を使わないようにするという療法です。前回の記事で紹介したように、不眠の人は寝れない経験が積み重なることで、「寝床=寝れない場所」という条件づけが無意識に刷り込まれており、それが不眠の原因となっています。
刺激制御療法はこの悪循環を断ち切り、「寝床=寝れる場所」という新しい条件付けを行うものです。
具体的な方法としては、
①眠たくなってから布団に入る
②布団で本を読んだり、TVをみたり、スマホなどを使わない
③眠れない場合は寝床を離れて、眠たくなったら寝床に戻る
などの方法があります。
特に入眠困難の方によく効く療法です。
②睡眠制限法(睡眠スケジュール法)
睡眠制限法(睡眠スケジュール法)は睡眠を制限することで睡眠の質を上げる療法です。人間は睡眠時間が短くなると、それを補うように睡眠の質が上がるという性質を利用したものです。
睡眠制限法は少々やり方が難しいので、「睡眠を制限すると不眠症が治る!?」から具体的な方法をご覧頂ければ幸いです。
こちらは特に中途覚醒の方によく効く療法です。
③筋弛緩法
不眠の人は今まで寝れない経験を積み重ねてきたことで、寝ることに対して極度な不安や緊張を持っていることがあります。そのような緊張をほぐし、リラックスした状態を作ることで睡眠を促すのが筋弛緩法です。
筋弛緩法では5秒ほどぎゅーっと筋肉に力を入れて、一気に力を抜くことを繰り返します。この繰り返しの中で自然に体の緊張がとれていきます。
具体的なやり方については、こちらの記事がが非常にわかりやすいです。
また『「寝たまんまヨガ」でぐっすり寝れるという話』で紹介させて頂いた、筋弛緩法を簡単に実践できるアプリ「寝たまんまヨガ」を使うのもオススメです。
睡眠認知行動療法にはこの3つのほか心理教育や自律神経訓令法などを組み合わせる場合もあります。
以上2回にわたり睡眠認知行動療法について紹介させて頂きました。
薬を使わない治療法として非常に有効ですので、ぜひ一度お試しください!