睡眠認知行動療法って何?という話①
今日は現在私が、睡眠専門クリニックで行っている睡眠認知行動療法について紹介させて頂きたいと思います。
睡眠認知行動療法は薬を使わない睡眠障害の治療法として、近年注目を浴びている療法です。海外の研究では、症状が改善、減少する人が70%-80%、不眠症の診断基準から完治する人が50%という高い成果でています。
(参考:「認知行動療法で改善する不眠症」)
認知行動療法のメリットとして、副作用がなく、薬とほぼ同等の効果があることです。
現在の睡眠障害の治療の主流である、薬による治療は即効性はあるのですが、長期服用による依存によりやめられなくなったり、耐性により薬が効かなくなるというリスクがあります。
ただ一方で効果が出るのに時間がかかり、薬のような即効性がない、これまでの習慣を変えなければいけないのでかなりの労力が必要といったデメリットもあります。
睡眠認知行動療法の基本的な考えとして、不眠は睡眠に対する認知のクセにより引き起こされます。
例えば、
「今日も寝られないんじゃないか・・・」という不安や
「寝られなければ、仕事に影響が出て失敗ばかりするに違いない」などの過度な思い込みなどです。
睡眠障害の方は長年の不眠により、このような睡眠に対するネガティブな考えが無意識に刷り込まれているため、ストレスなどの特定の理由がなくても寝ることができません。
このような無意識の刷り込みを日々の習慣や行動を変えることで、少しずつ変えていくのが睡眠認知行動療法です。
長くなったので、睡眠認知行動療法の具体的なやり方については次回の記事で紹介させて頂きたいと思います。